ラジオ広告
ラジオの特徴は、言うまでもなく音声のみで情報を伝える点にあります。聴覚のみに訴える為に独自の世界観・領域を持つとも言えます。制作も容易なことから番組制作上も様々な場面で機動性を発揮することができます。また、リスナーそれぞれに独自のイメージを抱かせることによって、ラジオCMは深い印象を残す「独特な訴求性」が高いことも指摘されています。
ラジオは聴覚のみに訴えることから、日常生活のより広い場面(移動中や行動中など)でターゲットをカバーしやすいメディアです。そういったことから、特にドライバー、中小規模の商工業や自営業者に従事中の人、オフィスのOL、勉強の合間の学生、主婦などによく聞かれています。
このようなことからラジオは対個人性の強いパーソナルなコミュニケーション媒体となっています。このことが、ラジオに親近感・連帯感に裏打ちされた「深み」や「心への浸透力」をもたらしています。マスメディアでありながら、エリアに根ざした地域密着のメディアとしての役割をはたしています。
媒体の特性
①ターゲッティング
日常生活の中で各曜日時間帯ごとに、ラジオをよく聞いているであろう層に必要な情報、共感しうる情報を盛り込む番組編成になっていることで、そこに流すCMも明確なターゲッティングが可能になり、反復効果でより深い訴求が可能となります。
②適時性
運転中のドライバーに車関連の商品や眠気防止の商品広告を、深夜 勉強に励む学生にドリンク剤やカップ麺の広告を といったように、リスナーの意識や状況にマッチした広告訴求の展開を組み立てやすい。
③個人訴求性
聴取者は1人でラジオを聞いていることが多く、そういった個人との深い関りのなかで、各人なりのイメージを膨らませていく訴求を狙いやすい。商品を視覚的に確認できなくても、返品率の少ないラジオショッピングに人気があるなど、この特性によるものと思われる。
④パーソナリティ効果
番組パーソナリティ含め、番組全体のイメージ・嗜好性・個性を、広告したい内容が形成したい「ブランド パーソナリティ」の方向性と合わせていきながら、その連動の中に訴求効果を高めていく番組戦略が可能です。例としてパーソナリティの人気を活かした生CMや、番組発のオリジナル商品の開発などがあります。
⑤簡便性
CM素材の制作、番組自体の制作ともに、比較的簡易かつ安価で、短期間のうちに準備が可能です。よってタイムリーな訴求、あるいはターゲットにマッチした個別の訴求として情報内容をこまめに差し替えるような展開が可能です。
媒体による効果
□イメージャリー・トランスファー効果
ラジオCMを聞いてテレビや新聞など他のメディアの広告を思い出す効果。テレビCMや新聞広告を実施する際、ラジオCMも併用するメディアミックスが大きなシナジー効果が得られると言われています。
□リーセンシー効果
例えば、「買い物に行く途中に、クルマで聞いたCMの商品を思わず買ってしまった」など購入の直前にリスナーとCMが接触することで、リスナーの購買行動に影響を与え購買行動につながる確率を高めるという効果。
□押し上げ効果
ラジオCMにはテレビCMの認知率に対する「押し上げ効果」があることが検証されています。テレビCMと同時期にラジオCMにも出稿を行っているものについては、ラジオCMなしのものよりテレビCMの認知率が明らかに高いことがわかっています。
ラジオCMの種類
ラジオ広告は基本として「番組提供」と「スポットCM」の2つに大別されます。
番組提供(タイムCM)
番組やコーナーをスポンサードするCM形態です。「この番組は○○○○の提供でお送りします」というような提供クレジットが流され、番組中にCM(タイム CM)が放送されます。番組提供には「ベルト番組」「箱番組」「曜日縦取り」などがあり1社提供のみの場合と数社による共同提供の場合があります。
【活用例】
①番組との連動性・関連性による親近感・プレミアム感の創出
②長期間露出での企業・商品イメージの醸成
スポットCM
番組と番組の間に放送されるCMと、番組提供CM(タイムCM)とは別に番組の中で放送されるCMです。放送する期間・時間・回数を発注単位で個別に設定することが可能で、使い勝手の良い広告です。
【活用例】
①ターゲットに合わせ決まった曜日・時間に定期的に放送する「レギュラースポットCM」
②オープンやイベント、セール等の告知及び集客目的の「短期集中スポットCM」
ラジオ広告には他に「番組出前中継」・「ラジオカー」・「電話インタビュー」など番組と連動したものなどがあります。
ラジオ局ネットワーク
ラジオ局はニュースネットワークとキー局の番組配信上の関係から以下のようなネットワークとなっています。 全国的な番組の料金も配信エリアのネットワーク規模で大きく変わってきます。