テレビCMの特徴
発信した広告情報がオーディエンスに接触されたかどうかという「接触率=Rating」で評価した場合、テレビは広告媒体の中で最も到達効率の良い媒体です。訴求したいターゲットを中心に、広告内容を同時に多くの人に訴求できるテレビは、情報伝達のスピードとカバーする面積の広さで、優位性の高い媒体です。
媒体の特性
①即効性
市場での認知・理解を急速に上げたい新製品の発売時や店舗・施設の新規オープン時、ブランドイメージを広く早く浸透させたい時などに、テレビの持つ即効性を活用しての広告展開は有効です。
②親近性
テレビは余暇活動の中で、常に上位を占めています。ほぼ100%の普及率をベースに、ファミリー視聴、パーソナル視聴ともに、子供から大人まで楽しめる媒体として、万人に対して幅広い情報伝達力を備えています。
③説得性
視覚(映像)と聴覚(音声)の双方向から、商品やサービスの特徴を具体的かつ印象的に訴求できます。動画ならではのリアルな訴求、サウンドなどによるイメージ支援は、テレビ独特の説得力を生み出します。
④信頼性
新聞・雑誌同様に、放送広告基準をクリアした、信頼性の高い情報が送りだされているという視聴者の基本的な信用を確立しています。
テレビCMの視聴者層
テレビCMを実施する上で想定されている最も一般的な視聴者層区分と各層の特徴的傾向は以下の通りです。広告を最も効果的なものにするためには、告知する商品やサービスのターゲットを明確にし、狙った層に確実に到達させることが肝要です。
①C層:男女(4歳~12歳)
アニメ番組の人気が高く、「戦隊モノ」「サザエさん」「ドラえもん」など長寿番組として人気を持続しています。また、19時台のクイズ番組やバラエティ番組にも興味を示します。
②T層:男女(13歳~19歳)
音楽番組、お笑いタレントによるバラエティ番組、若者向けドラマ番組、芸能色の強めの番組などに人気があるのが特徴です。また近年は一定の層でアニメが好まれる傾向があります。
③M1層:男性(20歳~34歳)
21時以降の時間帯を中心に、バラエティ番組、スポーツ番組(スポーツニュースを含む)を好む傾向があります。
④F1層:女性(20歳~34歳)
音楽番組、ドラマを中心に、生活に役立つ情報系のバラエティ番組やクイズ番組などの人気も高いです。
③M2層:男性(35歳~49歳)
プロ野球、ゴルフなどスポーツ番組の人気が高いですが、ニュース番組、映画なども好む傾向があります。
③F2層:女性(35歳~49歳)
ドラマ、朝のワイドショー、クイズバラエティなど、比較的いろいろなジャンルを視聴する傾向があります。
③M3層:男性(50歳~)
プロ野球やサッカーなどのスポーツ観戦、時代劇、ニュース番組、早朝の情報番組・ニュースなどが人気です。
③F3層:女性(50歳~)
ワイドショー、ドラマ、時代劇、ニュース番組など深夜帯を除いた視聴傾向があります。
テレビCMの種類
テレビCMは基本として「タイムCM」と「スポットCM」の2つに大別されます。
他に、スタジオでCMを生放送する「生CM」または「生コマ」や番組の中に広告したい商品がさりげなく登場するプロダクト・プレイスメントと呼ばれる手法などがあります。
番組本編に付帯し、番組を提供する形態で放送される形態です。
①提供クレジット
テレビ番組の提供を行った場合、その提供スポンサーには提供クレジットが付きます(「この番組は○○○○の提供でお送りします」)。社名はもとより昨今では商品名での表示も可能なため、それらの認知促進に大きなメリットとなっています。
②予告性の支援
テレビCMは通常、視聴者には次に何の広告が出てくるのかが分りません。しかし安定継続した番組提供においては、ここに若干の予告性が加わります。
たとえば、完全1社提供の場合、更には、当該時間枠を長期にわたり提供した場合などには、提供番組の広告に提供社の広告が出てくることが、無意識のうちにも視聴者に自然に認識されるようになってきます。
提供表示に加え、そういった習慣性まで構築した場合、番組提供による広告露出には、若干の予告性的な支援が付加される分だけ、訴求力が増すことが多いです。
③ターゲットの絞り込み
番組はその内容や放送される時間帯によって視聴者層(性別・年齢)の構成が大きく異なります。狙うべきターゲットが多く存在する番組を提供できれば、一般にはスポットCMよりターゲット効率は良くなります。
【活用例】
①番組との連動性・関連性による親近感・プレミアム感の創出
②長期間露出での企業・商品イメージの醸成
番組と番組の間に放送されるCMと、番組提供CM(タイムCM)とは別に番組の中で放送されるCMです。放送する期間・時間・回数を発注単位で個別に設定することが可能で、使い勝手の良い広告です。
①適宜自由な対応が可能
スポットCMは、CM投入時期や投入エリアをその都度自由に決定できるため、マーケティング計画に則して最適なエリア加重や期間加重、逆に休みの期間といったスケジュール調整を自在にコントロールすることが可能です。
しかしその分、毎度個別にプランニングと買い付けを実施し管理しなくてはならないので、その分だけ業務負担も多く、また、市況の人気引き合いの状況によっては、例えば、「プランニングした通りに買い付けができない」といったことが起こることがあります。
②グロス運用管理が基本
スポットCMにおける視聴者獲得は、複数の時間帯ゾーン、複数の曜日を巧みに組み合わせる「グロス」コントロールで、最適な出稿形態を模索していきます。ここに、ある特定の曜日時間帯の「個別一本買い」である番組提供との根本的な違いがあります。
【活用例】
①ターゲットに合わせ決まった曜日・時間に定期的に放送する「レギュラースポットCM」
②オープンやイベント、セール等の告知及び集客目的の「短期集中スポットCM」
スポットCMの基本的な露出パターン
スポットCMを実施する場合、買い付け作業に入る際にターゲットを最も効率良く獲得していける露出パターン(曜日時間帯の投下バランス/絵柄)を選定するのが一般的です。